Gene Stratton-Porter

ジーン・ストラトン・ポーター
     父方の祖先は、イギリスの古い家柄のストラトン伯爵家だった。
     アメリカでの初代はニューヨークのマーク・ストラトンで、有名な美人アン・ハチンソンと結婚し、ストラトン島
     (後のステートン)に定住した。
     父マーク・ストラトンはメソジスト派の牧師で富裕な農場主だった。子供達の内の誰かが彼の誇り得るような書物を
     あらわす者となって欲しいと熱望していた。「本を書く事は最も強い自己表現の方法だ」と口癖のように言っていた。
     ジーンの著書を目にしない内に亡くなる。

     母メアリは家の中に塵一つとどめぬほどにきちんと片付け、界隈きっての料理の達人だった。
     訪ねてくる人々すべてを温かくもてなし精一杯わが家を美しくし、子供達の着る物は手作りし、刺繍をしたりした。
     すべての人が認めていたの素晴らしい才能は、物を育てる事にあった。
     子供達の成人を見ずして亡くなる。

     1835年 が結婚する。十二人の子供をもうけるが、三人を猩紅熱から併発した百日ぜきで失った。
     は結婚した時、の事を「目方40キロばかりの淡紅色をした磁器のような女性。野ばらを思わせるばら色、肉付き
     がよく、太い縄のような明るい褐色の髪、生まれてこのかた一度も病気をした事がなく、婦人の名として最も美しい
     メアリという名前を持っていた。神は彼女の心を情け深く、その肉体を子供達の親となるように作り、特別の才能
     として彼女の指先に花作りの魔術をひそませた」と語ったそうです。

     1863年8月17日 アメリカのインディアナ州ウォバッシュ郡で末っ子として生まれる。

     幼少の頃 豊かな自然の中で、家族から動植物の生態について学び、ファーブルやバローズ、シートンなど自然をテーマとする本を読みあさる。
     心優しいと優れた審美眼を持ったとの間で、文学的才能と自然科学への興味は伸びていった。 

     少女時代 「私は目につくものすべてを歌に作り歌いながら、流れを渡って魚をとったり、クローバーの野で蝶を
     追ったり、嘴に毛をくわえた鳥のあとをつけたりしました」

     1874年(11歳) 一家はウォバシュ市に引っ越す。学校に通い始める(〜1883年)。

     1886年(23歳)4月21日 薬剤師で銀行員のチャールズ・ダーウィン・ポーターと結婚。リンバロストの沼地があるジュニーヴァに移り住む。
     ここを拠点に、鳥類などの写真を撮りコラムを雑誌に掲載するようになる。
     結婚後まもなく、スコットランド人の材木商と知り合いになり、リンバロストの沼地の事や、カナダの造船業者の
     使う上質の材木がそこで取れるという話を聞く。
     その後、リンバロストの北の境界から約1.6キロの所へ引っ越した時、グランド・ラピズにある大きな家具工場向け
     の貴重な木材の買い付けをしている男に逢う。

     1887年(24歳) 一人娘ジャネットを出産。

     1903年(40歳) 『The Song of the Cardinal』を出版する。 

     材木を伐り出す人夫達から、黒禿鷹の巣のありかを知らせられた時、急いでの所へ行って、そのしばらく前に、
     以後リンバロストでは仕事をしないといった約束を取り消しにして下さいと頼む。
     自身も熱心な博物愛好者なので、ジーンが行く事は承知してくれたが、ジーンを大切にする事では、誰もかなう者
     のないと一緒でなければいけない、という条件付きでした。これまでは自分の事業のためにやむなく、ジーンを
     一人で仕事に行かせ、ガイドを雇ったり、石油掘りの人夫や農夫の手を借りたりしていた。 
     7月末 小さな雛が飛べるようになるまで、約三か月間、三日目ごとにリンバロスト沼に通い、黒禿鷹についてのシリーズを完成する。

     ある日、沼地から帰ろうとしている時、大きな羽が一枚、くるくる舞いながらジーンの行く手に落ちてきた。すぐに
     上を見上げて鳥の姿を突きとめようとしたが、鳥は見つからなかった。この落ちてきた羽根で『そばかすの少年』
     の物語は始まり、数日で構想を練り、六か月後には書き上げる。
     羽根の大きさや形からいうと鷲に違いなかったが、禿鷹一家の生活とは馴染みになっていたので、羽根を落とした鳥を黒禿鷹に変える。

     1904年(41歳)10月20日 に捧げた処女小説『そばかすの少年』(Freckles)をダブルデー・ページ社から出版すると、
     200万部を超えるベストセラーとなった。
     最初につけた題は『舞い落ちた羽根』で、改題した事をいつも残念がっていたそうです。
     そばかすはある理想とジーンの野外での経験を混合した物に、ボブ・バーデット・ブラックの経験を混ぜ合わせる。
     エンゼルは、を理想化したものです。
     知り合いの材木商と家具商を一緒にしてマックリーンにする。
     ジーンがしている事の意味ははっきり飲み込めないながらも、ジーンのために多くの親切をつくした女性がいて、
     その女性の心も体も赤い髪の毛も何もかもセーラ・ダンカンの中にうつし入れる。

     1907年(44歳) 『At the Foot of the Rainbow』を出版する。

     1909年(46歳) 『そばかすの少年』の姉妹編『リンバロストの乙女』(A Girl of the Limberlost)を出版すると、
     200万部を超えるベストセラーとなった。

     1911年(48歳) 『The Harvester』を出版する。

     1913年(50歳) 『Laddie』を出版すると200万部を超えるベストセラーとなった。

     1915年(52歳) 『Michael O'Halloran』を出版する。

     1916年(53歳) 『Morning Face』を出版する。

     1918年(55歳) 『A Daughter of the Land』を出版する。

     1921年(58歳) 『Her Father's Daughter』を出版する。

     1923年(60歳) 『The White Flag』を出版する。

     1924年12月6日 カリフォルニア州ロサンゼルスで死去、享年61歳。

     1925年 『The Keeper of the Bees』が出版される。

     1927年 『The Magic Garden』が出版される。

     アメリカの女流小説家、ナチュラリスト。小説12冊、自然の本9冊、詩集。
     博物学者としても有名ですが、小説作家としての方が、より有名です。

     参考図書:『そばかすの少年』村岡花子 訳 角川書店
          『リンバロストの乙女』村岡花子 訳 角川書店
          『そばかすの少年』鹿田昌美 訳 光文社
邦訳作品リスト


『そばかす』村岡花子 訳 秋元書房 1957年
『そばかす』村岡花子 訳 朋文堂 1960年
『そばかすの少年』村岡花子 訳 角川書店 角川文庫 1964年3月30日 孤児で片腕のそばかすの少年は、飢えに苦しみ、愛情を求めてさまよい歩いていた。しかし、思いがけないきっかけで番人になったそばかすは、リンバロストの森の生活で友情と信頼を勝ち取ってゆく。そんなそばかすが心を寄せる少女エンゼルは、町の社長のお嬢様。そばかすに無邪気な好意を抱いてくれる。身分の違いに苦しむそばかすはエンゼルへの思いを断ち切ろうとするが…。そばかすの運命は?人間の真の美しさを描いた傑作。(カバーより)
『そばかすとエンゼル』白柳美彦 訳 鈴木義治 絵 講談社マスコット文庫 昭和41年
『そばかすの青春』村岡花子 訳 松田穰 絵 偕成社 少女ロマン・ブックス 昭和43年
『そばかすの少年』竹宮惠子 著 コミックス 講談社コミックス ポケットコミック 2000年2月
『そばかすの少年』鹿田昌美 訳 光文社古典新訳文庫 2009年5月
『そばかすの少年』村岡花子 訳 河出書房新社 河出文庫 2015年4月


『黄色の帝王蛾―原名「リンバロストの少女」』清水暉吉 訳 朝日新聞社 昭15年
『森の乙女』清水暉吉 訳 松田穰 絵 講談社 世界少女小説全集 昭和32年
『リンバロストの乙女』村岡花子訳 秋元書房 1957年 緑なすリンバーロストの森の中で鳥や虫を友として暮らしながら、自然の美しさと生きる喜びにめざめゆく多感な一少女の物語。(奥付予告より)
『リンバロストの乙女 続』村岡花子訳 秋元書房 1957年
『リンバロストの少女』村岡花子 訳 朋文堂 フラワーブックス 1960年
『少女のいのり』山本藤枝 編著 田村耕介 絵 偕成社 世界少女名作全集 昭和36年
『リンバロストの乙女』村岡花子 訳 角川書店 角川文庫 1963年(1990年12月 上下巻)
(上)父をリンバロストの沼で失ったエルノラは、母と2人で森のそばに暮らしていた。たった1人の肉親である母は何故かエルノラに冷たく、彼女の“高校に行きたい”という夢を無視する。学費に困ったエルノラは、リンバロストの森の恵み、蛾や植物の標本を鳥のおばさんに売って、自力で学校へ通う。何度も絶望しながらも、隣家のウェスレイ夫妻と、かつてリンバロストで少年時代を過ごした、あのオ・モーア卿に支えられ、エルノラは雄々しく苦難に立ち向かってゆくが…。(カバーより)
(下)夫の死の秘密を知ったエルノラの母は、今までのエルノラに対する行いを悔い、娘を愛する優しい母親に変身した。幸せに暮らす母娘の前に、ある日フィリップは現れた。苦労をして育ってきたエルノラに、フィリップの優しさは心地よく、次第にこの礼儀正しい青年に魅かれてゆく。しかし、フィリップには幼い頃からの婚約者がいた。悲しい思いのうちに、エルノラは身を引こうとするが、意外なきっかけで、恋の糸がもつれあって…。(カバーより)
『リンバロストの乙女』村岡花子 訳 鈴木琢磨 絵 偕成社 少女ロマン・ブックス 昭和42年
『少女のいのり』山本藤枝 編著 田村耕介 絵 偕成社 少女名作シリーズ 1973年
『リンバロストの少女』神戸淳吉 著 佐川節子 え 集英社 マーガレット文庫 昭和50年
『リンバロストの乙女』上下 村岡花子 訳 河出書房新社 河出文庫 2014年8月

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かなり裕福な収入のある盲目の婦人が、軽い家事をしたり、ときにはジーン・ストラットン・ポーターや、パール・バックの本を朗読してもらうために、彼女を雇ってくれたのだ。

スティーヴン・キング『スタンド・バイ・ミー』の中の中編「マンハッタンの奇譚クラブ」より(山田順子 訳 新潮文庫)

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